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第12号 【越後上布 体験講座 in塩沢町】05/2


19年ぶりの大雪に見舞われたこの越後の里。
今年も春の訪れを告げる風物詩、雪晒しの季節がやってまいりました。

第12号は織物講座体験レポート。
主催地、新潟県南魚沼郡塩沢町は伝統的な着物産地。
越後上布をはじめ、本塩沢、塩沢紬など美しい着物を生み出す技を守り続けています。




当日の雪晒しの様子
開催日、2月26日はあいにくの雪模様でしたが
全国各地の着物&塩沢町ファンが40人程集まりました。

熱心に講義を聴いたり実演を見学したりの午前を終え
昼食は美味し〜いコシヒカリ(釜炊き!)と郷土料理(絶品!)を堪能。

午後からはお待ちかねの雪晒し体験。
しかし降り止まぬ雪は広げた瞬間の反物に容赦なく積もり
「本当はこんな天気じゃぁ反物なんて外に出せないんだども…」
と困惑の担当者さん。

伝統工芸品、越後上布が風で翻り、そして凍りつき・・・という
最悪のコンディションの中、どうにか頑張って見せていただきました。

 越後上布 実演の様子
@苧績み(おうみ)

爪で繊維を細く割いて、長くつないでいく作業。

原料の青苧は細くなるほど乾きが早く切れやすくなるため、口にくわえて唾液で濡らしながら糸を撚り合わせていきます
A糊付け

糸に強度を与え、撚り合わせた糸を接着する目的で糊付けをします。

柳のり(布海苔)を煮溶かした溶液の中に糸をくぐらせて綛上げ。途中で糊が固まらないよう、湯煎しながらの作業です。
B整経

経糸が均一な張力で延べられ、長さが整うように竹筒の中に糸を通して行います。
お箸を持つ要領で、2本の細い竹筒を操っての作業。
C絣の糸くびり

絣の模様を出すための作業。
糸の束を設計図に沿って墨で目印を付け、次に目印の間を綿糸でくくります。
糸染めの時に部分的に染まらないように、固く結びます。
D居座(いざり)機織り

腰に付けた「シマキ」で経糸を張ったり緩めたりしながら緯糸を通して織ります。

居座機(いざりばた)は最も原始的な織り機。機台と糸と人が一体となって始めて布ができます。
緯糸を入れて…
筬で整える!


塩沢町では越後上布の次の担い手を育てるプログラム、100日研修を行っています。
1年間100日、上布を織るのに適した冬季間に行い、計5年の研修です。
こちらも、全国各地から織物に魅せられた人たちが集まり、日々研鑽を重ねているそうです。
 
(越後上布や塩沢町についてもっと知りたい!という方は塩沢町観光協会のページへ。)


手間をかけ、心を込めて作り出されたものの美しさはどんな人も魅了する力があることを改めて実感。
ついでに価格にも納得できた、貴重な体験講座でした!



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