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第7号 【2003年越後妻有アートトリエンナーレ −大地の芸術祭−】 開催期間:平成15年7月20日-9月7日
現代アートの祭り・越後妻有アートトリエンナーレがこの夏、ここ十日町を含む新潟の里山の中で開かれました。今年は自分の住んでいる土地が美術館になるという贅沢な夏を過ごせました。作品を見て回るのに夢中であまり写真を撮らなかったんですけど、いくつか紹介しますね。
2003.7.19−20 真実のリア王  byクリスティアン・バスティアンス+ナン・フーヴァー〈オランダ〉


  


  
この作品はリア王というシェークスピアの劇を題材に、過疎化の進んだ町に住む老人のインタビューによって構成された演劇です。実の娘に裏切られるというリア王と、子供たちのいない雪深い町で自分の家を守り続ける老人が重なります。

写真のオブジェは出演者の老人の話からインスピレーションを受けて、地元の布を使って作られたものです。当店の布(紗…薄いガーゼのようなもの)は左の写真、子供を身ごもった女性を表した作品に使われました。
  



  
前夜祭と開会式で上演されたこの「真実のリア王」には、作家のクリスティアン・バスティアンスさんからご招待いただいて見に行きました。というのも、当店で材料をお買い上げ頂いたのをきっかけに何度かアトリエにお邪魔したりと、製作段階から関わらせていただいてたんです。
クリスさんは「豊荘〈ゆたかそう〉」(名の表す通り古くて味わい深いAPARTMENT )にボランティアの通称「こへび隊」と一緒に半年近く滞在し、今回の作品に取り組んでらっしゃいました。日本語も達者な、とても気さくな方でお手製のカプチーノがとても美味しかったです。

  

  



2003.7.20 きもの流しGINGA  by WhiteBase 平野治朗+斉藤精一 (日本)


 市街地で行なわれたイベント、きもの流しギンガ。着物姿の参加者で町は埋めつくされました。小さい電球の仕込まれた風船が、手に持った電池ケースから伸びる電線の先でフラフラと風に揺られ、それが2千個も街中に漂っている様子は尋常じゃありません。
 キーンという金属音がスピーカーから流れ、まるで霊が風船の数だけ存在しているかのような神秘的な光景が、いつも暮らす街とはかけ離れた場所にトリップさせてくれました。開催期間中計5回程行なわれましたが、予想以上に市民や国内外の観光客や関係者が繰り出してさながら祭りのようでした。




※ ※ ま ※ ※ と ※ ※ め ※ ※


 この他にも沢山の作品を巡りました。どれも秀逸でしたが、周りの景色に溶け込んだものが特に印象にのこってます。川西町の何万もの白い布が青い空に旗めいている様子や、下条地区の田園の中の土壁(この時、近くに乗馬センターがあることに初めて気が付きました。興味津々)や、松代地区の山奥の集落の古民家を改築した劇場や、閉鎖された小学校全てを使ったボルタンスキーの作品や、津南町の蔡國強の登り窯の中のキキ=スミスの作品、草間彌生などなど・・・。

 数えればきりがない程、収穫のあった夏でした。あと、多くの作家さんから直接話を聞く機会に恵まれ、地元でこのようなイベントが開催されたことを本当に幸運に思います。次回が待ち遠しいですね〜!
 追伸 管理人の活動報告
芸術祭の協賛イベントとして、私の所属する染織サークルも縦型織機による草木染すくい織タペストリーの製作を7月から始めました。11月までには完成する予定です。越後妻有交流館2階の体験工房に設置してありますので、お近くにお越しの際には見てやって下さいね。
染織サークルの面々、と覗き込んでるオジサン

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